うろおぼえ立ち読み雑記

週間漫画雑誌等を立ち読みして、気になる作品についてのレビューなどをメインにしていますが、最近は買っているマンガのレビューの方が多いかな。マンガ以外の趣味の話もあります。

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ご冥福を・・・サラバ、植木等・・・。

28日の早朝、車中FMのニュースで訃報を知った。
去年の青島幸男氏の逝去に続くクレイジーキャッツ関連の人物がまたひとり鬼籍にはいられた。
青島幸男の葬式に出席されていた植木氏が、カメラにチラリと映された姿はいかにも体調がすぐれない御老体に見え、しかも鼻にチューブが差し込まれていた状態で歩いていた。

呼吸器系の病気かな?と思いつつも、やっぱり植木等氏もやばいかもしれないな・・・と思っていたら青島幸男氏の逝去から半年もたたずに亡くなられた。

昭和の偉大なコメディアン、俳優、バンドマンが亡くなられたのは残念だ。
最近、逝去された人物の中で一番ショックを受けたのは、
JBの死と実相寺昭雄の死が一番こたえた。
植木等の死は「なんとなく死期が近そう」な気もしていたので、
「ああ・・・やっぱり」という感じがしていた。
あまりにも衝撃的な出来事というわけではなかったけれども、
やはり訃報を知った時にはそれなりに動揺した。

物凄いファンであるとか、クレイジーキャッツ世代だからとか、そういう視点にいたわけではなかったけれど、ただ、植木等が歌う「スーダラ節」に代表されるクレイジーキャッツのナンバーには、感慨深いものがあるのでここに書くことになった。

だいたい僕らの世代はクレイジーキャッツ以降のドリフターズ世代なので、クレイジーキャッツの音楽などは後聴きの類いになる。

24~25歳当時は洋楽邦楽のロック、ポップスとは違った昭和歌謡の世界に少しばかり足を突っ込んでいた頃で、岸恵子、美空ひばり、笠置しずこ、トニー谷・・・等々を新たに発掘するがごとく聴いていた。
そういえば、当時カルトGSコレクションとかいうコンピ盤がでていて、そこから掘り起こしていく聴き方もしていた。

まあ・・・最新ヒット曲をおいかける人達とは、はぐれた聴き方をしていたので、まともに音楽の話をできるひとはあんまりいなかったな・・・。
昭和歌謡に触れていくと70年代のフォークムーヴメントとは違う流れがあり、アイドルもの、ムード歌謡、昭和バラード・・・と、雑多ななかに、明らかに「いろもの」的な指向性をもった流れがあった。
コミカルな笑いをふくませた「コミックバンド」の流れである。

最近は「企画モノ」でコミカルな音楽を演じる人達はいるけれど、なにぶん「企画モノ」なので、期間限定や「一発芸」の範疇を越えられない人達が現れては消えていく、
そんな領域になってしまった「コミックバンド」のさきがけたるクレイジーキャッツ。

日本中を巻き込んであらゆる年代層をも音楽で翻弄し笑わせてくれたバンドは、
クレイジーキャッツ以外はなかなか記憶に残ることがない。

後進のドリフターズが現れても、クレイジーキャッツにとどきそうでとどかなかったのは、
「普遍的な音楽性」とでも云おうか、
「耳が記憶しやすい楽曲」の数々ではドリフターズを凌ぐものがあった。
ドリフターズじたいが方向性を音楽から「お笑い」を重視して、あの怪物番組「8時だよ!全員集合!」にチカラを入れてシフトせざるをえなかったのは、どうしてもクレイジーキャッツにはかなわない音楽性や、当時でもすでに「コミカルな音楽」の立派なスタンダードになっていたクレイジーキャッツの楽曲の数々に、立ち向かうのはやめて方向性をかえる事で活路を見出したかったからだと推測する。

(実際、ドリフのメンバー自身も、クレイジーキャッツを越えられない事を感じて、体当たりのコントやギャグで活路を見出したような事を発言していたような記憶が・・・ある。が、後年、『8時だよ!全員集合!』が終わってから、期間をおいて俳優業に身を投じたり、再度音楽に向き合ったりして、その個々人のポテンシャルの高さを我々は改めて知ることになった)

長い前置きだが、ある日先輩に「トニー谷」のCDを貸したことがクレイジーキャッツに触れる切っ掛けとなった。
「これよりもクレイジーの方がはるかに面白いし、できが違うから聴いたほうがいい」とのこと。
あまりにも有名で、「スーダラ節」などの耳馴染みのある楽曲も聴いたことがあったので、「何をいまさら・・・」みたいな気持ちもあったけれど、まとめてクレイジーキャッツを聴いた事がなかったので、ものは試しに聴いてみることにした。

借りたのはクレイジーキャッツのベスト盤CDだった。有名な曲のオンパレードの中、知らない楽曲ももちろん入っている。
「シビレ節」とかね・・・。何曲組かは覚えていないけれどもタップリ堪能できるくらいの曲数で、
テープに録音して一時期は毎日聴いていたような記憶もある。
歌詞カードとか、ライナーとかをコピーしなかったけれど、耳に馴染みやすい植木等のボーカルを聴き込んで、時には歌いながら覚えたりした。

そんな日々も過ぎ去り、僕が神戸に帰郷したのはその3年後の1994年1月。
引越しの荷物を送り出したのが、1月17日で、18日に大家さんに鍵を返してバイクで神戸に向かった。2泊3日と余裕を持って寒空の中帰郷する。

まあ・・・自分で書いていてなんだが、日付と地名を見ただけで察しがつくであろうと思う。
翌年の1月17日、阪神淡路大震災で被災するのであった。

当時求職中で、とにかくアルバイトでも何でも見つけたい状況の中、何回目に断られた面接のあとだったのか、嫌な年明けを迎えて、次に応募する仕事を決めてから寝たら早朝にあの大地震である。

大したケガも無く、家族も垂水に住む親類も、とりあえず無事であった。とにかく生きているだけで有難かったのは、詳しい現状を見たり知ったりする前までの数時間だけだ。
その数時間だけは余震に怯えながらも、脳内が興奮しているのでとりあえず気持ちだけは何とか保てていた。

置かれている現状と、交通、街の状況を知るために御影公会堂付近やJR六甲道付近、阪急六甲付近を彷徨ってみて愕然とする。
近所の街並みも、それらの駅周辺の建物が傾いていたり、一般家屋の屋根が落ちてぺしゃんこになっていたり、電柱が二階に突き刺さったり、崩れた家屋が道をふさいだり、新幹線の鉄道高架が落ちたり、信号機はもちろん機能せず、ところどころで煙があがり、特に長田方面か三宮方面の煙の勢いがその日の夕方までには、西の空を覆いつくすほどだった。

電気、ガス、水道が遮断され、電車もバスも機能せず、電車に至っては西も東も寸断されて
阪急、JR、阪神ともに復旧の見込みが立たない。
店舗も閉店状態で、コンビニもスーパーも稼動できない。

状況を知るにつれて「無力感」を感じざるをえなかった。

「頑張ろう神戸」の横断幕やのぼりがたつのはその数日後であったけれど、「頑張ろう」という言葉がとても辛く思えたのはあののぼりを見てからだ。
言葉で頑張れるのならば音楽や歌でもいいかもしれない。と、思って自分が収集してきたCDや、録音してきたテープを引っ張り出してみると・・・以外と「高揚、幸福、希望」という明るい方向の音楽がないことにがっかりする。

暗くて鬱々とした気分の中で、ハードロック、ヘヴィーメタル、パンクを聴いても素通りする。
ピンクフロイドやキングクリムゾンを聴いていると狂いそうになる。
佐野元春とか聴くと「ふざけんな!」、中島みゆきだと「どんどん暗くなる・・・」、浜田省吾なら・・・「切ない、つらい、逆上しそう」・・・。
ボブマーリーなら・・・「そこまで手が届かない」・・・ダメダメだ。
せめてカルチャークラブとかあればなあ・・・テープに録って無いからだめだ。

そこにぽろっと出てきたのがクレイジーキャッツのテープだった。
「ああ・・・これなら何とかなりそうだ」と思いテープを回して聴くと、音楽自体がホニャララホンワカパッパーに植木等の見事なオチャラケた節回しに「そのうちなんとかな~るだろう~とっくら!」ときたもんだ。
無責任とかいいかげんとか、そんな言いたい放題な言葉で、聴いている側の状態も現状も無視されて放たれる言葉には「チカラ」があった。

あのときシリアスに思いつめてしまいそうだからこそ、現状を笑い飛ばすほどのチカラが僕には必要だった。

植木等の声が聴こえなくなる事に不安を感じ、クレイジーキャッツのテープをエンドレスで延々と部屋で流しながら、震災で崩れた部屋の片付けをする。
3~4時間くらい聴きこんだあとに、他の音楽を聴こうと思ったけれども、どれを聴いても一瞬でも
スカッと爽快にさらっと現実を楽観できる状況に導く音楽は僕の手元にはなかった。

その日から時々不安になりそうな時には、このクレイジーキャッツのテープを延々とかけていたような記憶がある。

クレイジーキャッツのメンバーもひとりふたりと旅立って逝き、植木等もいなくなった事で、あの底抜けに陽気な歌声は聴けなくなった。

あの震災時に支えになってくれたクレイジーキャッツの音楽は死ぬまで忘れず、震災のコトを語る時にはこのテープの話もしてきた。
これからも折に触れ聴いていく、僕の永遠のスタンダードナンバーだ。









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この記事のコメント

はじめまして^^

私のニュースサイトで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。

紹介記事は
http://tv17.blog97.fc2.com/blog-entry-137.html
です。
2007-04-02 Mon 18:08 | URL | テレビ番組瓦版 [ 編集]
はじめまして

こんな長文を読んでくれる奇特なお方もいらっしゃるのですね。

基本的に長文になりがちのこのブログですが、
ひさしぶりに長過ぎました。

書き込むのも、2~3日は考え込んで書いたような気がします。

ありがとうございました。
2007-04-03 Tue 12:48 | URL | 森山ネム太郎 [ 編集]

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