うろおぼえ立ち読み雑記

週間漫画雑誌等を立ち読みして、気になる作品についてのレビューなどをメインにしていますが、最近は買っているマンガのレビューの方が多いかな。マンガ以外の趣味の話もあります。

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「ブラッド・ハーレーの馬車」~沙村広明・・・買ってみた。

昨日、某ブログを徘徊していたところ、沙村広明氏の作品レビューを発見。
残酷な物語ゆえにあまり人にはお勧めできない作品なんだそうだ。
で、アマゾンのレビューを見ても、酷評の☆1つか、☆5つと極端な感想。

じゃあ自分はどうかというと、☆5つでレビュー書いてきましたよ。
残酷な物語に組み込まれた少女達の悲劇・・・。
う~む。なんていうかな、この作品のストーリーティリングは実に巧く、
冒頭の1~2話の衝撃が最終話まで通じていて、因果応報、仏心が仇となり、
使い捨て、嫉妬、凶行、そして因果は巡り、嘘が真に、真が嘘に・・・。
そしてラストカットの城を前に語られる言葉に背筋がゾッとする。

RIMG0746_512.jpg

アマゾンのレビューを見る限りでは、もっと視覚的に画で酷い陵辱シーンとか、
暴行シーンがあるのかと思ったけれど、「無限の住人」で百琳姐さんが拷問を受けて、
輪姦されるシーンの方が酷いと思ったけどな・・・。
あと、先月くらいにボクも書いたけど、久しぶりの尸良の登場時に、
公儀の女性を残虐に切り刻んで犯すシーンの方が強烈だったしね・・・。

残酷だけれど、遠藤浩樹の「エデン」作上での残虐シーンの方も、もっと酷いからね、
眼球えぐりもすでに見てるし・・・。
嫌悪感はあるけれど、殺人手前のサディストっているでしょ?
そういう外道な輩が刑務所にいてもおかしくないわけで、「ブラッドハーレーの馬車」
における残酷シーンは「ありえる残酷陵辱」と見れば、ある程度の猟奇趣味と、
沙村氏のリアリズムがそうさせた結果なのではないかとボクは考える。

猟奇趣味に猟奇エロチシズムを導入し、性描写をあからさまにすれば、
R-18指定は必要かもしれないが、そこまでには至っていない。
世の中のマンガ作品の中には、もっと残酷な描写をしている作品があるから、
まだ、ボクはこの作品を受け入れることができる。
(個人が大量に女性を犯し自宅の床下に死体を隠すというような猟奇殺人など、日本では聞かないけれど、欧州、米国あたりでは時々ある大事件だし、まあ・・・関わりたく無いけれどね。例えば動物虐待とかする人は、動物を物扱いにして、ナイフで眼球をえぐったり、口を開けさせてバーナーで口腔を焼いたりとか、良心の呵責無しにやれるから、人の首を切って門柱に立てたりする無神経な事をやる輩もいるのですから、まだ、沙村氏の自主規制が働いている方だと思います)

画の残酷さよりも、精神的な人間の業の深さや、精神的苦痛が、
この作品にはある。そういったことを踏まえてこの沙村広明の作品は、
文学的な領域にも関わったような気がする。
かえって、小説として読みたいくらいだ。が、救いはないのよね・・・。

読後感はすっきりしないが、沙村広明氏のストーリーティリングの巧さも
生かされたこの作品。なかなか心に重しを残してくれます。






そして少し納得できなかったのが、自称「無限の住人」のファンだ。
この作品を読んでガッカリした人も多かったようなのが気になった。

あれ、結構、残酷、残虐シーンのオンパレードで、猟奇趣味の極みは「黒衣鯖人」がいた。
(まあ・・・ブラック・サバスをモジッタキャラ名で苦笑したが)
両肩にオンナ(リンの母と、鯖人の愛妻)の生首を縫い付けるなんてどうよ?
忘れているんじゃないか?
前述した百琳姐さん陵辱拷問シーンや、尸良の鬼畜な猟奇行動とか。
槇絵姐さん(仕込み三味線の女)が、武器を持たない決意をするために、
手のひらを三味線の弦で縫い付けてしまったカット・・・等々。
忘れているに違いない。

ボクはムゲニンを読みきりから連載を追って(月刊アフタヌーン購読者ゆえ)いるので、
コミックスは開いていないけれど、視覚的残酷さは十分知っているから、
「ブラッドハーレーの馬車」の視覚的残酷さはまだ自主規制している方だと思う。

ゆえにムゲニンファンがこの作品を拒否し、否定するのはどうかと思うね。
フィクションではあるが、もっと人生の暗黒面をマンガや小説で知るべきだろう。
ひょっとして永井豪の「デビルマン」を読んだことのない人達なのかもしれない。
一般書店に置くのもいかがなものかと・・・という人もいたが、マダマダだな。




追記補足:

エロシーンが・・・というより、嫌悪感漂うだけの陵辱シーンはハードSM趣味を持つ作者ならではのもの。
サディズムとは鞭と蝋燭というステレオタイプなSを通り越し、沙村広明のサディズムの極地は肉体を傷付ける方向にむかってしまう。それを具現化しているキャラが「無限の住人」に登場する尸良だ。
サディズムの極地に立つ尸良の蛮行は、対峙する人間をまるで自分の玩具のようにもてあそび破壊する。

人体破壊衝動とでも呼ぶのか、この作品中で陵辱された少女は、指を折られ、乳首を縦に切られ、えぐられ、眼球をえぐられ、前歯を折られ、首を絞められ・・・まさに眼を覆うような性的暴力による陵辱を受ける。
囚人達の性的欲求のみならず、破壊衝動のはけ口にされてしまう少女達の末路は悲惨だ。死しかないのだから。

囚人達の暴動、集団脱獄等を抑止するためにつくられた「1.14計画」。
少女達を惑わすための装置としての「ブラッドハーレー聖公女歌劇団」。

第1話:「見返り峠の小唄坂」と第2話:「友達」で読む者の頭、心にクサビを打ちつける。
沙村広明のストーリーティリングのワザが光る。
そして、最終第8話に向かって、物語は言葉どおりに「刻まれていく」のだ。

見た目、視覚的な残酷さが強調されるのは1~2話が強烈。
あとは囚人側の話、刑務所内の警備員側の話、親友を出し抜いて養女になりたがる少女の話、歌劇団に入れた少女が怪我をして舞台に立てなくなったら・・・という話、歌劇団に入っているハズの少女を探してさぐりを入れたら・・・という話。
最後は「1.14計画」の真実が知られてしまうという話。

独立短編の物語は実によく作られていて、悲惨な結末を迎えるのはわかっていても、
マンガによる吸引力は強く、入り込んでしまう。
そういう技量があるからこそ、強烈な批判を浴びせられるのだと思う。
そこが漫画家の「してやったり」といったところか・・・。
関心を持たれない場合は、作者の技量がそこまでのレベルにまで至っていないということだ。

ボクはこの作品を高く評価しよう。
そして沙村広明氏も、この物議をかもした今作を少しは誇りにしてもらいたい。
たとえ、ドレスを描くのに向かないとか、馬車の車輪が自転車のスポークのようであろうが、
些細な箇所よりも物語全体に横たわる絶望感は一流だと思うのだが・・・。

最後に、ほんとはコレを書きたかっただけでした。

沙村広明氏は確かに美大出身(多摩美?『おひっこし』の舞台が八王子だったからという推測ですが)ゆえに、全てにおいて描写力はずば抜けている・・・が、実は・・・

外人というか、白人の顔が上手く描けていない。

よく見比べてもらいたい。第7話:「鳥は消えた」のレスリー嬢ぐらいが、まあまあ白人っぽい。
でも、整ったモデル顔の日本人という風にも見られる。
少女達に至っては、近年の日本的美少女の可愛らしさが強いように思われる。

顔の幅、奥行き、鼻の形、輪郭・・・など、日本人的美女の領域である。
もっと白人っぽい顔を描いて、描き分けてもらいたいものだ・・・と最後に意地悪な事を書いてしまいました。
はははは・・・。


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テーマ:マンガ - ジャンル:アニメ・コミック

マンガ | コメント:3 | トラックバック:1 |
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この記事のコメント

前評判をわかってて、買って読んで、うわーっと堪能している自分にハタ、と。残酷欲求を自覚しました。
第七話のラスト、「バイバーイ」とか、ダイレクトな残酷から遠回しの悲劇性まで、うまい作品ですね。いやさすが。
2008-03-13 Thu 17:37 | URL | dukimochi [ 編集]
前評判でボクも迷ったクチでしたが、覚悟してみると、結構平気でしたね。
精神的にはやられるかもしれませんが、視覚的な残酷描写なら、
もっと酷いのはありますからね・・・ガンツとか。
2008-03-14 Fri 04:34 | URL | 森山ネム太郎 [ 編集]
おもしろい事かいてますね。
一息に読んでしまいました。

でも、もっと話を簡潔にまとめてくれると読みやすいです(笑)
2009-02-19 Thu 09:58 | URL | 匿名 [ 編集]

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先々月の新刊をやっと読む。 ……いやぁ、これはこれは非道な。 ただの凌辱の方がナンボかマシの、ということはただヤっちまうだけじゃな... …
2008-03-14 Fri 09:25 漫画読みログ
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