うろおぼえ立ち読み雑記

週間漫画雑誌等を立ち読みして、気になる作品についてのレビューなどをメインにしていますが、最近は買っているマンガのレビューの方が多いかな。マンガ以外の趣味の話もあります。

「アオイホノオ」第1巻・島本和彦~買った

発売日の2月4日に買いに行った。数年前、その書店でボクは「燃えよペン」に出会い、
「吼えよペン」を全巻揃えた。「逆境ナイン」も揃っている。(未読だが・・・)
そんな書店であったのに、店舗の位置が2階から1階に移って、(いわゆる郊外型大型ショッピングモールみたいな所)島本作品のストックが減らされているのに気が付いたのは最近の事。

「燃えよペン」「吼えよペン」「新・吼えよペン」は常に全巻揃っていたのに・・・。
「新・吼えよペン」の最新9巻が1冊しか置いていない事に気づいた。
売り場担当が変更されたからだ。そう、判断すると島本和彦の作品在庫は、
ほぼ無いに等しい。

よくよく改めて陳列されている書棚を見ると、あからさまな売れ筋コミックスばかりが
優遇され、平置き台をも占領している。以前のマニア心をくすぐられるような作品群の、
コミックス達が今や見る影も無く淘汰されてしまったようだ。
この書店も、とうとうボクとの相性というか、心の距離が遠くなってしまいました(笑)。

残念な思いをしながら、それでもさすがに探すと置いてあった。
「アオイホノオ」・・・。たった1冊だけ。
しかも「2/4」という発売日の紙切れ1枚が挟まっているやつだけ・・・。

この周辺地域に居る、わずかな島本ファンが買っていったのに違いない。
たまたま、最後の1冊をボクが購入したに過ぎないハズだ・・・。
そう信じている。

まず手にとって驚いた事は、帯がコミックスの半分を占めてデカイ。
しかも、表紙の絵が・・・島本和彦らしからぬ「静かな画面」に不気味さを感じた。
さらに、あだち充、高橋留美子両氏、ビッグネームを帯文に列挙!?


RIMG0749_512.jpg


RIMG0753_512.jpg


さらに、この帯はイラストもついてフルカラー印刷だ!!
たかだか帯ごときに2色カラーなら判るが、フルカラー印刷とは、
無駄にチカラが入っているのはさすがともいえよう。


RIMG0747_512.jpg


上記は帯に付いたカラーイラスト。第1話の見開きカラーページからの流用だが、
どうしても使いたかったのか?


RIMG0752_512.jpg


これは荒筋がつづられているコミックスの裏。
今、思えば別に何処にでもありそうなコミックスの装丁なのに、無駄に?有効的に?
デカイ帯に面食らい、表紙の静かさに内容の「熱さ」へのギャップを感じるから、
素直に驚いてしまった結果、こんなにも無駄にコミックスの表側の画像を
載せてしまった(笑)

ヤングサンデー掲載時は「アオイホノオ」は前後編で、前編2本、後編2本で作品は終了。
という事であったらしい。(そういえば、連載ではなく不定期掲載だったような気もする)

しかし、その総ページ数から繰り出されるネタの数々と、その「濃厚さ」を描くには前後編だけではモノ足らず、(いや・・・あのページ数ならば、作家によってはうまくまとめて1冊で済むことが出来たかもしれない)
なんだか読みきりの前後編だったのに、連載になりそうな終わり方をするあたり島本さんらしいというか・・・。
考えてみたら、島本ファンになる人って・・・、
「声がデカイ」「字が太くてでかくて汚い」「汗かき」「本気になる事が多い」「一直線」「Gペンの線に燃える」
「ベタフラッシュ、トーンフラッシュ・・・等の表現が少ないマンガに違和感を感じる」
「写植の字が細いと落ち着かない」「明朝体よりゴシック体が好きだ」・・・等々。
だいたいこういう傾向の人が読むから(ボクも含めて)アンケートでも、無駄に熱い「念」を
送っていて、それが編集部にも伝わって連載になってしまったのではないか?

なんて事があったかどうかはわかりませんけれど・・・(笑)
前置きが長いな・・・相変わらず。すいません、簡単にレビューに入ります。

まず、コミックスを開いて一瞬固まる。

RIMG0754_512.jpg


「・・・。」一瞬、本当に固まり、間髪入れて爆笑!!

いきなりデカイ字面に大笑い。しかも、「フィクションである」と!!

荒筋を引用する。

「時は1980年代初頭。漫画・アニメ界に新たなムーヴメントが起き始めようとしていた熱い時代。
近い将来ひとかどの漫画家になってやろうと、もくろむ一人の男がいた。
男の名は焔燃(ホノオモユル)。
しかし、野望ばかりでまだ何も具体的には動いていなくて・・・!?」


まあ、作者自身はどういうつもりなのか、読者側は明らかに「炎尾燃」の漫画家以前の学生時代と、
島本和彦その人自身の学生時代をオーバーラップさせて、かつクロスオーバーな展開を予想している。
漫画・アニメの新時代、過渡期であった1980年代をフィクションとノンフィクションを交えて、
さらにほぼ(笑)実名で今や名の知れたビッグネームの方々が登場、または伏字無し、
当て字無しの実名で表記され、主人公の焔燃に注目された漫画家などは、その当時の
掲載誌や、コミックスからの引用もある。
そして漫画家達の作品に向けて語られる批評は上から目線だ。大先輩に向けて・・・(笑)
(一般的にはそういう語り口にはなりますね。漫画のレビューなんかは総じてそんな物)

庵野秀明の登場も衝撃的だ。あれでは、普段の庵野監督を知らない人が見れば、
ただの変な人だ。
が、庵野「嫁」の「監督不行届」をすでに読んでいるボクには、「有り得る庵野秀明」だから、
ここでも変な人ぶりを発揮しているのが楽しくてたまらない。

(『監督不行届』を見ると、ライダーの変身ポーズをとったり、ウルトラマンの技の真似、ミラーマンの技の真似などは当然。子供用の変身ベルトを買って落胆している監督のために、嫁が監督の腰へ背中越しにベルトをあてて、鏡の前で気が済むまで変身ポーズに付き合ったりと、微笑ましいオトナ子供ぶりを発揮しているのを読んでいるから、この作品中の庵野監督の奇行ぶりなんかはマダマダ許容範囲以内だ)

特筆すべきは、焔燃が漫画家を目指すうえで衝撃を受けた漫画家の作品に、少なからずボク自身もはまった時期でもあった。あだち充なんかはいい例で、「陽あたり良好」「みゆき」「タッチ」は読んだし、影響はあった。

高橋留美子の「めぞん一刻」「うる星やつら」などは誰もが知るところで、細野不二彦の「さすがの猿飛」は、
アニメが楽しくてしようがなかった。そういえば余談であるが、当時、映画に行く習慣がなく、
映画といえばTV映画を観るくらいしかなかったボクが、スターウオーズの話の流れを知ったのは、
この「さすがの猿飛」でやったSWのアニメパロディであった事を思い出した(笑)。

作品の話にもどろう。
様々なところで、自分の甘さを感じて落ち込んでいるところを、関西訛りがリアルで
キャラ立ちもいいトンコさんに慰められ、一緒にうどん屋に入ったところ、先週号のサンデー
をみて衝撃を受ける焔。

高橋留美子の新連載「うる星やつら」を見てかなりの衝撃を受け、店に置いてあった
サンデーが欲しくて買い取るという行為にまで至った話はなんだか熱い話で、実際に
ありそうな場面なのでこちらも思わず熱くなった。

漫画作品なのに、なぜか入り込んで本気で熱くなる。それが島本漫画の特徴で、
この作品自体でもその本領発揮はされているのにもかかわらず、島本さんは自身の
ブログではこういっている。
「なるべく頑張って描かず、ゆるゆるとゆるめに描いたつもりなんですが・・・(笑)云々」
「表紙のイラストもなるべく女性が手にしやすいデザインで(笑)」
と、割と気張らずに描いたのにも関わらず、前後編で終わるつもりだったのに、
なんだか連載になってしまったので、次はもう少し早いスパンでコミックスを出せれば
いいかなと・・・いうことらしいです。



あああ、そうか。今回の作品中では女性キャラが割りと女の子っぽい(笑)
「吼えろペン」「新・吼えろペン」でも、描かれている女性キャラは全て「コッチ側」の
人達で、今作品では「あっち側」の女性キャラだから、ちょっとは「ゆるめ」だったのか?
そう解釈してもいいな。トンコさんのキャラがなんだか新鮮で面白いし可愛いしね。



1980年代、あの時代が懐かしい人達。今や有名なガイナックスの面々の学生時代。
庵野秀明の「庵野ウルトラ」のエピソードも秀逸な今作品。
今年のマンガ界の一部を騒がす作品になりそうな気がするのはボクだけなのか。






まったくの余談で申し訳ない。
「ハチミツとクローバー」のドラマが、大変にまずい事になっている。
ミスキャスト以上に脚本が相当酷いことになっているそうで、
原作ファンの逆鱗に触れている。
「はぐみが告白した・・・」とかね。
「リカさんがたくましい」とかね。
原作破壊汚染が進行中。
もうメチャクチャだ。
・・・・・・・・・・・・・・悲しい限りである。



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この記事のコメント

サンデーの先生たちに平気でツッコミを入れているアオさこそ、青春だなと思いました。トンコさんの存在は青春漫画として重要ですね。

吼えペンから派生した作品のようでいて、なんだかだ単独でも話題になりそうです。面白いー!
2008-02-10 Sun 22:16 | URL | dukimochi [ 編集]
このアオさはみんな持っているのですが、公の場ではさすがに・・・
こういうツッコミはやりずらいですね。遠慮しちゃいます。

やっぱりトンコさんの存在が青春ですね~(笑)
庵野秀明さんがほぼレギュラー出演しているのも、話題性抜群ですね。

今年、ひょっとするとこの作品が大きな話題になりそうな気がします。
最高に受けてます。笑えます。隅々までネタの宝庫です。
2008-02-15 Fri 20:55 | URL | 森山ネム太郎 [ 編集]
ども。書き込み頂いたんでこちらにも遊びに来させて頂きました。

今月、何か本を買わなきゃいけない気がしてたんですが、そーか、
これだったんだ。忙しさにかまけてすっかり忘れてました。
明日子供のおむつ買いにいくついでに捜してきます。
ありがとうございました。

こちらでも最近マニアックな本揃えの店が減り始めてきて、もっぱら
アマゾンで買うことが多くなりましたよ。
2008-02-24 Sun 01:41 | URL | イシュト [ 編集]
「初版は売り切れたそうで、重版すると連絡がありました」と、
島本和彦さんのブログでも早い段階でコメントが載っていました。
先日、アマゾンでも売り切れて在庫なしのコメがのってましたね。

見つけたら即買いですよ(笑)。
ここ最近、ボクにしてみると久々のスマッシュヒット作品ですね。
2008-02-24 Sun 02:31 | URL | 森山ネム太郎 [ 編集]

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