うろおぼえ立ち読み雑記

週間漫画雑誌等を立ち読みして、気になる作品についてのレビューなどをメインにしていますが、最近は買っているマンガのレビューの方が多いかな。マンガ以外の趣味の話もあります。

2010年アフタヌーン10月号~四季大賞「ヤングイコン」篠宮ツキ

発売日ではなくて、金曜日の仕事帰りに大河原の書店でアフタヌーンを購入。
いつもジャズやボサノバが流れている素敵な本屋だ、フリーポートさん。

まあ、ここのマンガ月刊誌や、少年誌の類いはすべて透明ビニールで梱包された
ビニ本仕様なので、クタクタにくたびれたマンガ雑誌はない。中身を見なくても
別に問題なしで買う。是非、中身が知りたい場合はまた別の書店に行く。

月刊アフタヌーンを定期購読するようになったのは、1995年以前、1992年
頃か、1993年頃だったのかはうろ覚えではあるが、だいたい17年も読んで
きたのか・・・我ながら驚く。立ち読みでチェックしていた頃からすると、創刊した頃
からの付き合いだな。

それはさておき、今月号は本誌よりも、四季賞ポータブル(別冊の小冊子)の付録
がいきなり「ズバン!!」と頭の中に擬音が轟き、直ぐに四季賞ポータブルから
ページを開いた。

だって、これはあからさまに、編集部が猛烈に期待を抱いているからこその、
小冊子にも関わらず、一押しのカラー表紙でしょ?

2010年夏:四季賞ポータブル表紙_512

「へぇ~ショートカットの女の子がメインか・・・」と、勝手に思い込んでいたら、

なんだか影というか、若いアーチストっぽい陰鬱な青年でしたね。
そして内容も苦悩する若手アーティスト、職業として画家を選択した、未だ
アマチュアの男女が絵画に情熱を燃やす・・・そんな話。

簡単なあらすじを・・・。

貸し画廊で個展を開いていた主人公葉山京介に、ふいに声をかけてきた中年男が
上海でアートフェアをやるので、君も描いてみるかい?と話をもってきた。それが
仕事になるのであれば、やってみたいと京介は承諾してみるが、「3ヶ月で20枚
できるかな?」という相手の無茶に、やってみせると啖呵をきる。

しかし、自分がこだわってきた技法、顔料、プライドを捨ててクライアントのいう
通りの作品を描くことに苛立ち、相棒のセナにも八つ当たりして腐っていく京介。
希望、妥協、絶望、そして未来へ前進といった、なかなか波のある展開とストーリー
構成、画面構成、画力が台詞を追うよりも絵で読ませて感じさせる作品でした。



四季大賞:ヤングイコン:篠宮ツキ:1_512


ストーリー後半、セナの個展に来た京介が、セナの絵の画面に左手をかざして、
触れるか触れないかの距離で見せたこの左手の表情に「うまいなぁ・・・」と
思いましたね。



四季大賞:ヤングイコン:キャンバスに向かう男_512





キャンバスを破る京介・・・と言いたいところですが、油彩ではないので、
パネルに水張りした和紙を引き裂き破る京介ですね。


四季大賞:ヤングイコン:篠宮ツキ:主人公_512



京介と同様、絵の材料として植物から抽出したり、石(おそらく・・・)を砕いたり
して、一から材料を仕込むというこだわりをもったヒロインのセナ。



四季大賞:ヤングイコン:篠宮ツキ:ヒロイン_512



共同で借りている二人のアトリエ。床に広がる絵皿、連筆、絵刷毛、筆洗器、和筆の
散乱具合を見ると、なかったものを描いているのではなく、同じ状況の場所を見て
描いているようにしか思えない程のリアリティに作家の熱意を感じる。

そして、美大を卒業してから、絵を描き続けてゆく苦悩、報われない努力の繰り返し。
ふいに訪れた絵の仕事に翻弄される若者の姿は、何かしらの経験がそうさせるので
あろうと想像してしまう程に業が深いマンガだ。



四季大賞:ヤングイコン:キャンバスに向かう男女_512



何かを刻まれてしまった。

そんな四季大賞作品に敬意を表したい。

そして、読み終えて表紙を見ると、





「コレは絵に立ち向かっている京介なんだ」


と、理解できた。

本誌での再会を待ちたい作家の登場である。


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テーマ:マンガ - ジャンル:アニメ・コミック

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