うろおぼえ立ち読み雑記

週間漫画雑誌等を立ち読みして、気になる作品についてのレビューなどをメインにしていますが、最近は買っているマンガのレビューの方が多いかな。マンガ以外の趣味の話もあります。

「水域」:漆原友紀~上下巻

先日、金曜日の夕方、仕事帰りにMOVIX仙台に寄って「GANTZ」を観るつもり
が都合により果たせず、紀伊国屋書店をひやかしに行ったところ、コミックス売り場
にて平台、中央寄り奥ほどに「水域」作:漆原友紀の平積みを見つけ思わず唸った。
上巻の嵩が4~5冊減っていて、下巻は山のままという状態。

「蟲師」の次の作品で、現代を舞台にしている物語ゆえ上巻1冊を試しに買ってから
判断する慎重な出足とみていいのかな?月刊アフタヌーンにて昨年短期集中連載
していたのを読んでいたので、発売日近くで迷わず上下巻をまとめて購入。ゆとりが
あれば、特装版を買ってしまうつもりでもいたのだが、そこは踏みとどまって通常版
コミックスにした。

日本画の技法のひとつである「揉み紙」風の処理が施されたコミックスのカバー装丁
も、漆原友紀氏のカラー原稿に見られる淡彩画の作風にあっているので、所有する
ことで僕には特別な想いが産まれてくる。




水域(上) (アフタヌーンKC)水域(上) (アフタヌーンKC)
(2011/01/21)
漆原 友紀

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水域(下) (アフタヌーンKC)水域(下) (アフタヌーンKC)
(2011/01/21)
漆原 友紀

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上巻は既に読了しているが、下巻はまだ未読である。大好物は最後に食べる・・・
という心境ではなく、下巻を読む前にアレコレと他の物を混ぜて読むうちにうっかり
読みそびれていただけである。物語の結末も知っているので、ラストからパラパラと
めくって眺め読みしていくと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




いかん。


そうか、忘れていた。


上下巻は、物語は繋がっているわけで、離れていって、二度と会えないと


思っていたのに、思わぬところで繋がる「縁」に図らずも涙がこぼれた。




「中学3年の夏休み、少女は奇妙な旅に出る。酷暑を水先案内人に。

雨が降らない現実の街と、雨が降り続ける『夢の村』。それらをつないだのは

人々の想い、そして忘れ得ぬ記憶」これが、上巻の帯文。





以下、ネタバレ注意!!



水域 愛蔵版 上巻水域 愛蔵版 上巻
(2011/01/19)
漆原 友紀

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水域 愛蔵版 下巻水域 愛蔵版 下巻
(2011/01/19)
漆原 友紀

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おおまかな粗筋です。












中学3年の千波が夏休み、部活中にグラウンドで暑さで倒れる。気絶した束の間
に、雨が降る水量豊かな川辺にいる事に気が付く。が、人に呼ばれて目覚めると
そこは現実の世界。グラウンドで気を取り戻した千波はこの時を境に、雨の降る
村と、雨の降らない酷暑の街を行ったり来たりする。

あくまでも夢の村だったのだが、そこで出会うのは一人の小学生男子とそのお父
さん。小学生のお父さんにしては、おじいちゃんみたいな老け方だなぁ・・・と
いうのが、下巻でつながる意味あり気な千波の台詞。

この千波の夢の中に出てくる小学生の澄夫が、千波の母(和澄)を固まらせる。
和澄の母(清子)、千波の祖母から澄夫の話を訊いたものだと思い、清子にその旨
を問いただすと「まだ、あの村の話はしていない」という。


このストーリーの中心には常にこの澄夫がいる。最後まで澄夫が関わり、そして
祖母、母、娘の三代に渡り流れる河のようなストーリーを繋げるのも澄夫のポジ
ションである。人には事情があり、散り散りになって縁が切れたとしても、その
底流には細い網の目で繋がる水がある。それを繋いでいたのが澄夫だったのか・・・。





正直なところ、この物語に関しては

マンガよりも文章で、

小説として読みたいと感じた。








文章に書き起こしてもこの「水域」は良い小説になると思う。
小説を漫画化したようにも思える今作品は、文学的マンガと言えなくはないか。
作品に浸りたい、噛み締めたい、そんな「水域」はロングセラーの予感がする。


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テーマ:マンガ - ジャンル:アニメ・コミック

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